2017年11月12日、ヨハネの第一の手紙5:21「偶像を警戒せよ②」
何が偶像かを見極める四つの方法(ティモシー・ケラー著『偽りの神々』)とは、⑴一人だけのときに考えることやすることに注目する。「あなたの宗教とは、あなたが一人だけのときにすることだ」(ウィリアム・テンプル師)。それがあなたの中で神以上の地位を占めている偶像かもしれません。⑵金銭の使い方に注目する。家や子どものため、服や趣味等のために使った残り物を神に献げるというような金銭の使い方をしているとするなら、それが偶像かもしれません。⑶答えられなかった祈りと、なかなか実現しない希望に対する反応に注目する。「求めても与えられないのは、快楽のために使おうとして、悪い求め方をするからだ」(ヤコブ4:3)。答えられない祈りは、もしかしたら私たちに何か大切なことに気づかせようとする神の愛の呼びかけかもしれません。⑷最も自制できない感情に注目する。劣等感や妬み、不平不満や怒り等の根っこに、成功や自己義認等の偶像が潜んでいることがあります。
自分の心の中にも偶像があることを正直に認め、偶像を捨て去ることは幸いですが、実はこれだけでは真の解決にはなりません。「人間の性質とは、いわば絶えることのない偶像工場」(カルヴァン)で、早晩また新しい偶像を迎え入れることになるからです。だからこそパウロは「あなたがたはキリストと共によみがえらされたのだから、上にあるものを求めなさい…あなたがたは上にあるものを思うべきであって、地上のものに心を引かれてはならない」(コロサイ3:1~2)と言うのです。イエスが莫大な犠牲を払って救って下さったことを感謝し、イエスによって心が満たされて満足しているならば、もはやこの世の空しい偶像に心奪われたり惑わされたりすることなどないのです。